新型コロナウイルス禍での弊社の想い

2020年4月7日、新型コロナウイルスの感染が都市部で急速に拡大している事態を受けて、政府が東京や大阪など7都府県を対象に法律に基づく「緊急事態宣言」を行いました。それは全国に拡大し、海外で行われたロックダウン(都市封鎖)のような事態にはならなかったものの、国民が一丸となり自粛ムードに包まれました。そして、緊急事態宣言は東京などの首都圏と北海道での継続となり、感染者数も一時よりは減りましたが、現在も予断を許さない状況が続いております。

弊社としてもリモートワークを徹底しながら社員を守るためにこの数か月は奔走して参りました。感染防止のため、ソーシャルディスタンスの重要性が叫ばれ、人との距離を取ることが正しいとされるようになりました。会いたい人に会えない、思うように動けない、慣れない生活にストレスが溜まっている方も多くいらっしゃると思います。

今、このような事態に置かれた私たちは物理的な距離が開いてしまったとしても大切な人たちとの“心の距離は離れていない”ことを再確認する必要があるのではないかと思います。ウイルスの脅威を決して人の心を蝕むものにしてはなりません。しかし、私たちは一人でできることなんて限られています。今回、皆様が感じた周りの人と談笑すること、ご飯を食べること、会って一緒の時間を過ごすこと……そんな当たり前の日常がかけがえのないものだったことに気付けたのではないでしょうか。その気づきを前向きに捉えて、来るべき普通の生活が戻った暁には、普通を何より大切に思える人でありたいと思うのです。

未知のものと闘うということは非常にエネルギーのいるものです。私たちもできることを最大限、微力ではありますが行動して参りたいと思っております。弊社が掲げてきております≪おすそわけの精神≫をこれからも変わり続けることなく持ち続け、「ヒューマンインターネットカンパニー」として、また言葉だけでなくきちんと行動で示していきたいと思う次第です。誰かを思いやる気持ちで、苦難も乗り越えられると信じています。

最後に、みなさんにレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉を贈ります。彼は芸術家であり、科学者でありながらも文筆家という顔も持っていました。「王様とヒバリ」という童話の中での言葉です。『愛は、悪いことや汚いものを見つめません。愛は、正しいことや美しいものを見つめるのです。正しい、美しいものが、もしひどい仕打ちにあっている時は、愛はますます燃える。それは暗ければ暗いほど、明るく輝く灯火と同じなのです』

私たちはつらい時、苦境に立たされているとき、なかなか前を向けるものではありません。しかし、彼が示すように自身の中にある誰かへの想い、何かへの愛、そして繋がりへの灯火を消すことは誰にもできません。それは今回の新型コロナウイルスという脅威なるものによっても、だと思います。そんな想いを胸に、早く新型コロナウイルスが収束することを願うばかりです。

令和2年5月23日
代表取締役社長 阿比留 章雄

※2019年小学館レオナルド・ダ・ヴィンチ著西村鴨夫・渡辺和雄共訳『レオナルド・ダ・ヴィンチの童話』15Pより引用